真面目な、マッサージ

前回の海外遠征から遡る事、三ヶ月。

 

「え、もういくの?」と思われる読者も多いかもしれないが。

のんちゃま一門は即系なので、「海外遠征楽しかったな!」「また行きましょうね!」「いつ行く?」「年内にもう1回いっちゃいます?笑」のノリで今回の旅が決まった。

 

ガチで恐ろしい。

 

完全に、即系女子の行動と同じである。

 

大阪〜ホーチミンはかなりフライトも良いのが出ている影響なのか。

前回参加した関西メンバ(パキスタン人・Do・デストロイ・死ぬまでヤッ太郎・オゴ)のリピート率が驚異の100%となった。

また新規メンバの「さきゅう」も加わった。

 

 

 


私(奈落の花)

ナンパ歴16年目に突入寸前の異常中年。のんちゃま一門における、始祖の巨人。

弟が結婚して子供と仲良く暮らしている反面、自分は「家族Lineから除名」という鬱き目にあってしまった事が悩み。

最近は「凄い」と言われるよりも「怖い」と言われることの方が増えている。

 

この記事の執筆中、スタバで可愛い女性店員が「新作のお菓子サンプルを配ってます〜!」と席を回っていたのでワクワクしながら待っていたところ、彼だけ普通にスルーされてしまう。

 

 

今回の遠征では、関西空港の手荷検査の際、割とガタイの良い女性警備員から「上着を衣類を全て脱げ」と言われ、寒空の中”ヒートテック1枚”という極限まで脱衣を強いられてしまった挙句、なぜか金属探知機に引っかかってしまう。

プラスの料金を払って広めのシートを確保したにも関わらず、通常シートに勝手に変更されてしまった(しかも、往復両方)彼は、なぜかVietjetのキャビンアテンダントにベトナム語で話しかけられてしまう。

 

現地人顔負けの”アジア風”の外見をしている彼は、露天で購入した「巨大シャボン玉」を使って遊んでいた所、大道芸をする路上生活者に間違われてしまい、笑顔の子供から50,000VND(300円)を手渡されてしまう。

 

 


Do

一門を率いる”現場至上主義”の、マジメで誠実な男。

遠征の予習としてXvideoで「Vietnam / Sex /Amature」の3ワードでヒットする動画を片っ端から漁るという行動力を持ち合わせている。

 

だが、この動画でヌキ続けた結果”天啓”を受け、「すいません、居てもたっても居られなくなったので、先に現地に行きます」「触れ合いに勝る情報収集はない」と言い残し、危険だと引き止める仲間の声も無視して、二ヶ月前に初めてパスポートを取得したにも関わらず、単身ベトナムに前乗りをしてしまった。

他のメンバーが到着時した際、既に現金の8割を使い果たしボロボロの状態で現れた彼は、出会い頭の師匠に「すいません、10万円貸して下さい」と言い放った後、ホーチミン会堂のカフェで無事に財布とパスポートを紛失してしまう。

 

Do・English(究極に削ぎ落とされた無駄の無い英会話)は今回の遠征でも”芸術”と呼ばれるレベルに到達。

売春婦と思われる女性に路上で突如「Hi, SEX?」と話しかけ、また風俗の交渉は「ブロージョブ・500k VND(訳 3,000円)。OK? 」の3単語のみで乗り切る。

 

風俗嬢にガチ恋をしてしまった彼は、「おはよう!」「今日はこんな所にきました^^」と、まるで恋人のようなLineを裏で続け、最終的に我々の集合写真を送った結果、なぜかオゴの顔写真のみが風俗嬢の内部で広まってしまいーー

 


 

オゴ

男性向け個室レンタルビデオ店で勤務をしている絶望のアラフィフ中年。店長の女性(30代)への積極的なアプローチの結果、仕事をクビになり現在は無職(ガチ)。

 

今回の遠征に際して「事前にベトナム人のAVで抜いて、”フィーリングの調整(?)”をしてきました」という彼は、底を尽きかけているなけなしの金を投げ打って参加するものの、フライトに記載した氏名で”痛恨の誤字&脱字”をしてしまう。

必死のネゴシエーションを試みるが、ベトジェットのノンバ強めの女性に拒否されてしまい一度は離脱。

 

 

アコムの借用限界まで金を借りて再度フライトを抑えるという執念を見せた彼は、到着後に入店したベトナム風俗でウジウジと嬢を選んでいる際に「Don’t think. Just feel(考えるな、感じろ)」とババアに叱責された直後に覚醒。

白人しか居ないクラブに特攻し、キャンベラから来た謎の大学生とコンビをしながら大麻の匂いがするロシア人を口説いた彼は、興奮冷めやまぬまま帰宅した際に、パキスタン人が射精後の汚れたチンチンを拭いたタオルで、ガッツリと顔を拭いてしまうーーー

 


 

デストロイ将軍

大阪でバンゲした超・ハイスペックの箱入り娘にガチ恋をしてしまった彼は、「慶應大学ニューヨーク校卒業・外資系IT勤務・タワマン在住・趣味:乗馬&絵画収集」という自己紹介をするが、実際は辺境のド田舎4畳半に住む高卒・新聞配達員であり、趣味はゴリラ握力オナニー。

 

常に元気いっぱいの、笑顔が似合う好青年。

 

前回の遠征の際、兄妹でクラブに来ていた所に「うーっすw 俺にも誕生日、祝わせてや^^」という狂気の乱入を果たし、妹をアモッグして弾丸即した挙句、仲間へのパスまで手配する。

その際、「てか、妹アモッグしようとしたら兄貴がガーディアンしてきて^^」「普通に邪魔でした、やっぱガーディアンってウザいですよね^^」とサイコ発言をしてしまい、全員からドン引きされる。

 

初日のベトナム空港で、Simカード入れ替えの際にウッカリとSimホルダーを紛失し、滞在中一切スマホが使えなくなってしまった。

 

「危険な状況に身を置きたい」「限界まで攻めたい」と言い残し、引き止める仲間を振り払ってヤバそうな路上のニューハーフ(立ちんぼ)にブロー・ジョブをしてもらう(12,000円)が、その直後にマフィアを名乗る男が乱入。「10万円払えば、ここから生かして返してやる」と脅された彼の財布には、残念なら2,000円しか入っていなかった。

あまりにも金が無い為、マフィアから「・・・Are You Chinese?」と言われてしまった彼は、帰路のホーチミン空港で突如「すいません、俺ってウンコ漏らしました?^^」と謎の質問をしてしまい仲間を絶句させる。

 


 

死ぬまでヤッ太郎

彼女との関係性修復のために韓国旅行(フライト代:往復10万円)をプレゼントした際、誤って自分の氏名を逆に書いた彼は、「ここでドタバタしているのを見せたく無い」「これ以上減点されたら振られる」と直感し、自費でフライトをもう一度抑える(+追加10万)という男気を見せる。

帰国後に「見た目がタイプじゃなかった」という理由で振られ20万を”顔”により失った彼は、怒りに身を任せるまま今回の遠征に参加。

 

前回タイ遠征で「7人で入ったガパオライス専門店でなぜか8人分のガパオを注文する」、「7泊で予約したやまもんのホテルを勝手に4日でチェックアウトする」等の大活躍を見せた彼は、今回の遠征でも開始早々に関西空港Duty Freeのイブ・サン・ローランで香水を降っていない試験紙を手に取って「ええ匂いやな^^」と言い放って店員をドン引きさせる。

 

10:40分にフロント集合と言われている状況の中で10:35分からシャワーを浴びてしまう彼は、ベトナムの風俗嬢から「疲れたから頭皮マッサージをしてほしい」と言われるなど、徐々に人間として開花するものの、帰国時の関西空港・入国審査で、なぜかforeigner(外国人)ゲートに並んでしまう。

 


 

さきゅう

2024年にナンパ界隈から失踪し、行方不明となっていた中年男性。

現在は、関西の底辺スーパー「ラ・ムー」で底辺間際の半額弁当を購入し、”カルガモ親子がカラスに襲われる動画”を見ながら土日を過ごすという、最底辺の生活を送る。

 

今回の遠征の話を耳にして、緊急パスポートを申請。受領翌日にフライトを抑え、ギリギリ参加する。

 

到着早々、バイクタクシーから降りる際誤ってヘルメットを付けたまま降車し、そのままホテルにチェックインしようとしてしまい、タクシードライバーから日本語で「アホ坊主!!」と激怒された彼は、ベトナム料理屋で出された香草のドクダミを”枝ごと”食べ始め、唖然とする店員から「You are crazy boy…」と言われる。

 

「空港で換金するのだけは忘れるな」と言われたにも関わらずなぜか1円も換金しなかった彼は、フラっと入った中国系寺院で、天井に備えてあった線香が二度直撃して割とシッカリめの火傷をしてしまう。

 

今回が初の海外旅行となった彼は、ウキウキになりながら貯金を投げ打ってスーツケースを新調(5万)し、Kithのジャケット(10万)まで購入したのだがーーー

 

 

 


 

ベトナム・ホーチミンの朝は早い。

 

割と朝から働いている人も多く、カフェの開店も早い。

 

しかし同室のオゴは、まるで干からびたミイラのような姿勢で爆睡していた。

それもそのはず、昨日は寝不足の到着日にもかかわらず、全員で深夜まで街を徘徊したからだ。

 

とりあえず、ホテルから徒歩5分圏内にあるオシャレなカフェに向かった。執筆依存症の私は、朝からPCをカタカタしなければ心が安定しない。

 

▼ オシャレすぎて逆にソワソワ

 

昨日はマッサージ店の若い店員の女子にバンゲを試みたところ、「インスタなら」と快諾をされた。意外とイケるもんである。

*因みに帰国後も謎に繋がっている

 

そんなことを考えながら、列に並んで「ベトナムコーヒー」を注文する。ベトナムは意外とコーヒー豆の産地なので、地元で作られたコーヒー豆で飲む事が出来る。

 

▼ ベトナムコーヒー(独自のフィルタと練乳の甘さ)

 

着席してコーヒーをしばきながら店内を眺める。

 

ふと、韓国アイドル系の、可愛い女子を見つける。

地元のベトっ子ではなく、韓国からの観光客でも全然アリだよねと一人でガッテンして、店内で話しかける。

 

こんな会話しました:
・こんちゃす^^
・良い天気っすね^^(退店時にスコールになってた)
・日本から来ました^^
・趣味でカメラ撮ってるんですよ^^(本当はナンパが趣味)
・27歳で^^(余裕のサバ読み)
・よかったら記念に写真残したいから一緒に撮ろうよ^^(これは本当に良い思い出になった)

 

割と良い感じに会話が進む。

とりあえず、すこし深い話をする。

 

「Oh, do you have boy friend?(彼氏いるの?)」

「…Yes(いるよ)」

「I know, because you are beautiful(知ってた、顔に書いてある^^)」

 

なんだか日本でよく使うテンプレをそのまま英訳した、みたいなトークになったが、仲良くなって30分程度ダベってバンゲ。

 

もし夜空いてたら!とさそったが、あいにく予定があるから〜とのこと。

まあ、そんな簡単にはいかない。

 


 

 

そんなこんなしてる間に、他のメンバも起床したので合流。

 

ボロボロの屋台で飯を食って見ないか?という話になり、恐らく日本人観光客が誰も行かないような通りにある屋台へ赴く。

 

 

老婆が営むヤキソバ(ミーサオ)の店をチョイス。

適当にヤキソバを注文すると、なぜか通りがかった警察官が「お、おばあちゃん、腰大丈夫かい?俺が代わりに作ろうか?」のノリで、我々のヤキソバをノリノリの笑顔で作り始めた(ガチ)

 

 

▼ え、お前が作るの?

 

「あらあら?俺たちのヤキソバは、偶然通りがかった謎の警察官が作るのですか?」と驚いたが。

彼は”これがベトナムの日常”といった表情で、笑顔で焼きそばを作り続ける。

 

衛生観念ゼロ、30日使った後のようなドス黒い油で揚げた目玉焼きを乗せた、焼きそばが提供される。

 

いざ、実食。

 

・・・

・・・・・

・・・・・・うまい。

 

ビックリするくらいうまいし、値段も180円。安い。

量もかなりある。

 

屋台の隣にある、ションベン臭い、この世の最底辺レベルのイートインスペースで我々は感動を覚える。

▼ イートインスペース

 

 


 

 

昼飯を腹に入れ。

誰が言い出したのでもなく。

一同は当たり前のような凛とした表情で、風俗に行く。

 

ホーチミンの風俗で有名なのは、「アオザイエロマッサージ」。

本番アリで13,000円(60min)。

 

私は昨年、別のクラスタとホーチミンに来た際この「アオザイマッサージ」にドはまりして、滞在3日で毎日通った結果、「900即してなお、その射精意欲・・・恐ろしい」とドン引きされてしまった。

 

今回の遠征では、さきゅう・Do・デストロイ・ヤッ太郎の頭のネジが壊れてしまい「2日・4射精(=合計8射精)」という、病気としか思えない回数を通っていた。

 

風俗に向かう彼らの”面構え”は、海外旅行初心者のソレとは思えないレベルとなっていた。

・リーンチェリー
・チェリースパ
・Kawaiiスパ

この辺が、有名である。

 


 

アオザイエロ系の店は、表向きは「Massage」として開業している。

 

その為、付近の通常マッサージ店は看板に「まじめなマッサージ」と記載しており、なんだかシュールである。

 

エロマッサージと真面目マッサージ。

 

逆に気になって、真面目マッサージに入店をしてみる。

 

入店をする前、Doだけは「こっちのMassageの方が、良さそうな気がしません?」と言いながらエロい店に全員を誘導しようとしていた。

 

 

真面目マッサージの店内は(当たり前だが)真面目であった。

 

 

カーテンのみで遮蔽された、割とオープンなスペースでうつ伏せになり、マッサージを施術される。

 

Doの店員だけ、なぜか可愛い女性だった。

 

彼はひたすら「これ、エロいのあるかもしれません」「諦めてはいけない」「私は、戦います」とブツブツ言っていて、普通に怖かった。

 

▼ 怖いよ

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

 

割と良い。しかも価格も400k VND(=2,500円)で60分なので、安い。

 

カーテンで仕切られた隣でDoが施術を受けている。

たまに、小さい声で「blow job?」とか「Hand ok?」とか聞こえて気が散りそうだったが、マッサージの質が予想よりも良くて爆睡した。

 

前半のマッサージが終わり、「仰向けになれ」と指示をされる。

その指示に促されるままに、仰向けになる。

 

 

すると、カーテンの向こう側で、Doのマッサージ担当が悲鳴をあげる。

 

どうやら仰向けになった際、Doの股間がなぜかボッキ状態になっていたようだ。

 

▼ まったく・・・・

 

店員「Shit!! Are you sure!?(頭イカれてんのか、このゴミムシ!?)」

Do「HAHAHA, I’m fine ^^」

 

隣から何か聞こえるが、気にしない。

そのままマッサージが継続される。

 

どうしても諦められない彼は、施術終了の10分前にボソっと「…SEX ok?」と聞き、「No」と返答されていた。

 

 

退店後に「さすがにあの店では無理だろw」と彼に言ったところ、「それでも、戦わなければならないのです」という回答が帰ってきた。

 

お前は武士か。

 

 

 


 

 

さて、夜も暮れてきたのでクラブに赴く。

 

クラブの情報は、デストロイがシッカリと情報収集してきてくれた。

何でも、ベトナム最大・アジアトップ100にもノミネートされた最強のナンパクラブ、ワンナイトも一晩で大量に生まれるというセケスの楽園「Bar Lush」である。

 

▼ 我々の想像

 

 

六人全員が股間をギンギンにさせながら、クラブに向かう。

 

そしてクラブが近くなる。

 

入店の際にも、響く重低音。

 

気持ちをMAXにして店内に踏み入れると、そこはーーー

 

▼ なにこれ!?

 

え?我々は、梅田のジャンカラに来ました?と思わず錯覚するような店内。

 

文化祭で高校生が”DJブース”を出展したらこうなるだろうな、というレベルのヘボい内装の店内と、DJブースが客席と同じ高さにあり全然見えないというカオスな状況の中で、唯一あるスクリーニンには謎の「侍」の姿が永遠に投影されているゴミ箱であった。

 

「びっくりドンキーの店内の方が、まだ迫力がある」と思わず口から溢れてしまう。

 

▼ びっくりドンキー(店内)

 

更に絶望を深めたのは、店内には男女グループが10人と、子連れのおばあちゃん、謎の黒人(体重100キロ超え)しか居なかった。

 

これには、流石の我々もビックリである。

 

デストロイとヤッ太郎は、フロアを徘徊し始める。オゴは何故か、体重100キロ超えの黒人男性と踊り始めていた。

 

 

クラブに来たことが無いさきゅうが、「どのように女を口説けば?」「英語・ベトナム語が全く出来ません」と聞いてきた。

 

彼は、小学校時代は将棋部、中学では囲碁部に所属しており、高校は帰宅部という”インキャのロイヤルストレートフラッシュ”というダメダメな男である。

過去に某恋愛ゼミで「今日は誠実系声かけをしましょう^^」と言われていたにもかかわらず、勝手に連れ出しをしてしまった彼は、「声かけだけしろっていってんだろ」と講師にキレられてグルチャを強制退会させられた過去もある。

 

真面目な彼には、真剣にアドバイスをしなければ。

 

「今の素直な感情を、Google翻訳に打ち込んで会話してみよう^^」とアドバイスした。

 

その結果、彼は「これ、何が楽しいん?(Có gì vui ở đây?)」と打ち込んだスマホの画面をフロアの女性に見せ、「地獄に堕ちろ(Đi xuống địa ngục)」と言われ、心が破壊されてしまう。

 

 

 

 

 

すると、意気揚々とデストロイがやってくる。

 

デ「ちゃまさん!良い感じの二人組みつけました、いきましょう!^^」

 

▼ 元気なのは良い事なんだけど・・・・

 

 

の「いや、この空間にそんな二人組いたか・・・・?」

デ「いたんですよ、いきましょう^^」

の「マジで?」

デ「信じてください^^」

 

絶対おらんて。

絶対にいなかった。

 

 

彼氏持ちのグループにでも特攻するのか?と思いながら、彼についていく。

 

 

辿り着いた先には・・・

 

 

老婆と娘がいた。

 

デ「こんちゃっす!^^」

娘「こんにちは^^」

デ「何してんの? あ、てか1対1で、あっちで話そうよ^^

の(ほんっ!!??)

 

 

え、ま?

冷静になれ、おれ師匠なんだけど?

そんな扱いある?

 

まあ仕方がないので、最低限の役割はこなす。

 

の「こんちゃっす^^」

老婆「・・・・・・」

の「よくこのクラブには来るんすか?」

老婆「・・・・・・」

の「あ!もしかして英語できない日?おけおけw スマホでベト語に翻訳するね〜、ほい!(よく来るんですか?)」

老婆「・・・・・・」

の「・・・・・・」

 

 

 

 

 

流石の私のメンタルも折れてしまう。

 

一旦おばあさんを放置し、デストロイのところまで言って耳打ち。

 

の「流石にキツいです」

デ「まだいけますよ^^」

の「無理です」

デ「ここに、何をしにきたんですか^^」

の「・・・」

デ「ナンパ師ですよね?^^」

の「はい」

デ「やれますか?^^」

の「はい」

 

涙を堪えながら、老婆の元へ戻る。

 

の「再びこんちゃっすー^^」

老婆「・・・・」

の「いや、僕ら日本から観光にきたんすよね!」

老婆「・・・・」

の「ホーチミン、すごく良い町ですね!食事も美味しいし、遊ぶ場所も多くて^^」

老婆「・・・・」

の「・・・・」

 

 

すると、急にデストロイが現れる

 

デ「ちゃまさん、もう、この店出ましょう!^^」

の「!?」

デ「なんかあの女、売春婦だったみたいでw」

の「!?!」

デ「時間勿体無いですよ、チェケラ☆ もっと他の場所で遊びましょう!」

の「!?!??!」

デ「クソみたいな箱でしたねww てか、ちゃまさん婆さん口説いててウケるっす^^

 

 

オゴは体重100キロ超えの外人とまだ踊っていたので、放置したまま店を出る。

 


 

 

全ての旅程を終えて、疲労困憊のまま、関西空港に到着する。

 

 

荷物受け取りカウンターで待つが、さきゅうの荷物がなかなか来ない。

 

 

「ミスって預け入れに貴重品いれてしまったのですがw」

 

「あのカバン(5万)買ったばっかすよ?無くなるワケwww 先週かったKithの新品ジャケット(10万円)と、財布(現金5万円)と、家の鍵が入っててw」

 

「人生初の海外旅行でさすがにロストラゲージしたら、私は死んでしまいますよ・・・?」

 

「フライトの往復が12万、現地風俗で10万使って、これも失ったら1泊2日で40万近く使った事に?」

 

「家の鍵ないの、日曜なので詰みます。金も無いので野宿かなw」

 

「ははは、俺は終わるんだ〜。 楽しいな〜」

 

「ウホーウホウホ!僕はゴリラでーすw」

 

 

さきゅうの精神が、徐々に崩壊する。

一抹の望みを託し、全員で彼の荷物を待つ。

 

 

そしてついに、彼の荷物はとうとう、帰ってくる事は無かった。

 

 


 

 

 

帰りのバスの中。

 

さきゅう「あの、ちゃまさん」

の「ん?」

さきゅう「僕の荷物はなくなりましたが、この思い出は、絶対になくなりません

の「え、何言ってんの?キモ・・・

さきゅう「・・・」

 


 

しかしまあ、人生とはわからない物である。

 

若い頃は「普通の人生を送るんだろうな」とか思っていたが、結局「ストナン暦15年・900即・講習600件・Twitterフォロワー30,000人」のようなバケモノになってしまった。

そして何より、「楽しそう」で始めたナンパ講習から弟子・仲間ができて、彼らと共に異国の地を旅するまでの関係になるとは。

本当に予想もしなかった。

 

スタナン一家みたいな炎上も無くてよかった。

 

そして改めて身をもって感じたが、「セケスへの渇望」は万国共通である。

国が違っても、言葉が違っても、信じる神が違っても、人は「セケスが大好き」という共通項でつながり続ける。

面白いものである。

 

来年は、もう一回、タイに行こう。