ナンパ師の頂上決戦
僕はずっと見ている側だった。
いままで数回のナンパ師の頂上決戦を見てきた。
手に汗握る展開
考えられないスピードでの即
生まれるドラマ
とても自分ではできそうにない、それは雲の上の出来事のような戦いだった。
「いつかこんな大会に出れるといいな」
そんな事をナンパ師同士で話したりしていた。
しかし、ナンパ師の逮捕や身バレで界隈は廃れ、こういったイベントを見る事は無くなっていった。
楽しみにしてたのにな。
また見たかったな。
そんな事を思っていた。
さかのぼる事、2018年12月
刺すような寒さの中、国分町でストリートナンパをしていた時だった。
それはkyoさんからの一通のDMから始まった
「ナンパ師の大会をやりたい。のんちゃま、出場しないか。」
嘘だろ、と思う
大会をやる、そのことよりも
自分が選ばれたという事が信じられなかった。
この界隈にはたくさんのナンパ師がいる。
その中から選ばれた11人に、自分がいる。そのことが信じられなかった。
出場予定者の名前を見る。
飛び込んできたのは「Bee」の文字
間違いなく、地方ナンパ勢ではトップの実力者。
「東京に行く」というツイートをするだけで100イイネがつく、界隈のエース。
同じ舞台に自分が立てるのか。正直不安だった。
自分もナンパ歴は長い。自分のナンパにも自信がある。
しかし、彼らのような地方エースの力には及ばないだろう。
1即、1連れ出しも出来ず、無様な姿を見せる可能性も高い。
それでも
「参加します」
即レスだった
よく若手に伝えている。「迷ったら、行け」と。
逃げて得るものなんて何もない。
だから、行く。
何の後悔もない。
これから僕は、あの憧れの舞台に立つ。
TN1。地方ナンパ師の頂上決戦。
さあ、ゲームの始まりだ。