蒸し暑い、夏の日の夜。
ふと思い立って、コリドーのスタバで作業をする。
懐かしい気持ちに浸りながら、窓の外でギラギラと光るネオンを眺める。
「あれ、コリドーに来てる客層変わった?」
ふとそんな事を、思う。
一昔前のコリドーは、暑い中でもスーツとシャツを着こなし、ギラギラとした目で、歩きたばこをしながら女の子を探す男が多かった。
しかし、最近のコリドーは若い韓国系のファッションに身を包んだ、俗に「イケメン」と呼ばれる人も多い。
そもそも、コリドーに溢れる人の数も増えたように見える。
ナンパは元々、かなりアングラな世界の中で進化してきた。
それがITの発展に伴い、ブログ、Twitterと交流の場も増えた。
また講習やnoteといった学習方法も体系化され、早いスピードで技術を身に着ける事が出来るようになった。
ナンパ師が増える
ナンパ師同士でつるむ
ナンパノウハウが体系化される
以前よりも格段に、ナンパスキルを伸ばしやすい時代になった。
正確な数は全く分からないが、少なくともコリドーを見る限りだと、ナンパ師の数は1.5倍くらいになったのではないか。
今後10年後、20年後、ナンパはどうなっているのだろうか。
このまま指数関数的にナンパをする人口が増え、「今週ゴルフ行こうよ!」ではなく「今週ナンパ行こうよ!」と口にする男性が増える時代になるのか。
一昔前に脚光を浴びた「街コン」も、今やその輝きを失っている。
「相席居酒屋」はその課金体系に男性側が着いていけず、今や多くの店舗が姿を消している。
「マッチアプリ」も、俗にヤリモクと呼ばれる男性が圧倒的な勢いで増え、それに失望した女の子が続々と退会しているように見える。
・恋人が欲しい、遊びたい
・しかし。結婚相談所に登録するレベルではない
この2つの想いの間で揺れる中間層は、一体どこに流れるのか。
もしかして、その流れ着いた先がここ、コリドー街なのかもしれない。
目の前にナンパに明け暮れる男性や、キラキラした目をした女性が溢れている、そんな中で。
ふと目の前を見ると、スーツを着こなしている二人組。
先週も、先月も彼らを見たような気がする。
彼らは平気な顔で歩きたばこをしながら、獲物を探すような獰猛な表情で街を歩く。
その前方から30歳程度の「お姉さん」と呼んだ方が良いかもしれない女性二人組が歩いてくる。
サラリーマンが足を止める。
お姉さんに話しかける。
四人はその場で談笑をする。サラリーマンの武骨で大きな声が遠くからも聞こえる。
意気投合した4人は、そのまま東京を象徴するかのような、赤と青のネオンが目立つバーに消えてゆく…
今後ナンパという行為がどのように生存するのか、どのように進化するのかは分からない。
ただ、この男女4人は、果たしてこの出会いをキッカケに幸せになる事はあるのだろうか。
眠らないこの街で、僕たちはいつまで、踊り続けるのだろうか。