東京、某所ーーー
今日は期間限定で行っているナンパ講習の日。
生徒は、Nankoにも参加頂いているヘルシンキさん。Nanko生に無様な様子は見せられないと、腕が鳴る。
60分の熱い座学が終了し、そのままの流れで実地講習。僕がナンパしている様子を見せながら、音声も繋ぐ。
序盤10分で早々に連れ出すも、確度が低いとみて居酒屋入店前に放流。
立て続けにその後5分程度でハイレベ女子を居酒屋に連れ出し、バンゲ。
一連のナンパの様子をみせられて一安心。
ヘルシンキさんからも参考になった、との感想を頂きながら駅付近を歩く。
すると、駅の一角で誰かを待っている風貌の女の子が。
「待ち合わせの女の子は、彼氏待ちの可能性もあり、トラブルになりやすいので慎重に声を掛けるか判断します。」
そんな事を伝えながら、数十秒様子を見る。
まだ相手が来る様子は無い。
すこし遅めの時間だったので、ここはネタ系のオープナーを使ってみる。「ごめん、待った?」オープナーだ。
「いやいやw 誰ですかw」のような回答を得て、そこから会話を盛り上げ、相手が来るまでの間にバンゲをして次につなげよう。
そう考え、彼女の方へ向かう。
距離、3メートルほど。
僕の存在に気が付き、彼女が目をこちらに向けてくる。
「ごめん、待った?」
「あ!いえいえ。大丈夫ですよー!笑」
・・・は?
え?
え?え?
誰と勘違いしてるの???
君は誰???
遠くから唖然とした表情で見守るヘルシンキさん。
意図しない返答に焦りながらも、とりあえず会話を組み立てる。
「あ、、あ、ごめん。じゃあ、とりあえず歩こうか。」
「はい。」
いやマジかよ。
一旦冷静に状況を分析する。
・待ち合わせ中と思われる女の子に声を掛けた。
・しかし、女の子は俺を待ち合わせ相手と勘違いしている。
こういう状態になるという事は、この子と相手の男性は面識が無いという事だ。おそらく、マッチングアプリだろう。
一旦情報を収集するため、カマを掛けてみる。
「いや~ごめん。バタバタしてて。 そういえば、何のアプリで知り合ったっけ。タップルだっけ、Tinderだっけ。あ、ペアーズ・・・Omiaiだっけ?笑」
「・・・・・・え??」
・・・え???
違うの????
どういう事だよ。
君は一体、誰と待ち合わせしていたんだ!!!!
このままこの話題を掘ると座礁しそうなので、一旦別の話題へ方針を転換する。
「あ、そういえば俺はどう?イメージと違う?」
「うーん。色黒マッチョ高身長って言ってたから、もっとゴツいと思ってました笑」
いやいや。
↑どう見ても色黒マッチョ高身長じゃないやん。
ぜんぜんちゃうやんけーー!?!??!?
普通に分かるだろ!??!?!
マジで、なんなんだ。
誰なんだこの子は。
「私の事はどうですか? イメージと違いますよね?笑」
うん、イメージと違うどころか、本当に誰だか分からない。
「いやいや、まあお姉さん可愛いから、俺は今から一緒に飲めて嬉しいな^^」
何を言っているんだ。俺は。
しかし、本当に状況が分からない。
駅の階段を降りながら、とりあえず自宅に近い飲み屋に向かいながら歩く。
とりあえず、他の男性(仮でケンタ君としよう)と待ち合わせていた事は確からしい。
しかし、どういった流れでケンタ君と会う事になったのかは一切分からない。
「けどお兄さん、結構待たせましたね。70分も待ちましたよ!笑」
ケンタ君待たせすぎワロタ
どういう状況やねん
さて、ここで疑問が浮かぶ。
ケンタ君は、どういった理由付けでこの子と会う事にしたのか。
居酒屋?バー?店は女の子指定?それとも直家?
どれだ。
うーん。
直家じゃない?(希望的観測)
ケンタ君が直家アポを取り付けてくれていると信じる。
とりあえずハンドテストをしてみると、スムーズに通る。二人で手を繋ぎながら、自宅の方面へ向かう。
「お酒は好き?」
「うん、すきだよ。」
「そっか。ちなみに俺はそんなお腹空いてないんだけど、そっちはどう?」
「うーん。そんなにかな。」
「じゃあ、サクっと宅のみしようか!」
「え???宅飲みなの???店じゃなくてですか?」
うん、直家アポは取り付けていないようです。
しかし、そんな簡単に諦めるナンパ師・のんちゃまではない。
直家アポが取り付けてないなら、今から付ければいいじゃない!
「まあまあ。ほら、宅のみなんて学生のうちしかやって無かったでしょ?」
「うん」
「久しぶりに学生気分を思い出そう。若さは大切!!笑」
「ウケるw」
「それに、明日仕事でしょ。」
「まあ、、」
「だからそんな遅い時間まで飲まないなら、サクっと飲める宅のみだと嬉しいなって。ほら、もう自宅前だから。まあ少しだけ時間下さいな。」
「うーん。はーい。手が早いね。笑」
はい、簡単4Stepで直家完了。
(ヘルシンキさんからは感激のメッセージが来ていた。)
そのまま家に連れ込む。
ソファで二人で少し話した後、肩を抱き寄せてみる。抵抗は無い。
キスをしてみる。抵抗は無い。
即系やんけ。誰か知らんけど。
「お兄さん、手が早いね。ムードが~~~笑」
そんな事を言っていた10分後。
そこには、ベッドの上で「もっと!!もっと!!」と叫びながら、「まだイッちゃダメだから…」と焦らしでくる淫乱な彼女の姿が。
最終的に生フ〇ラがとても上手な彼女に口でしてもらい、彼女の口の中に全ての遺伝子を注ぎ込む。
イッてる最中も執拗に僕のソーセージを舐め上げ、一滴でも多くの遺伝子を口に含もうとする彼女は本当に素晴らしいなと思った。
激しい戦いを終え、二人で泥のように眠る。
ふと起きて時計を見ると、終電に近い時間だった。
とりあえず、お互いシャワーを浴びる。
僕は寝間着に着替えて、彼女を駅まで送っていく。
(・・・・いや、で、結局、誰なんだこの子は、、、)
駅の改札の手前。
「あのさ。」
彼女を止める
「全部、話しておきたいんだ。」
彼女に、全てを打ち明ける。
・俺がケンタ君じゃない事
・普通にナンパした事
・てか、そもそも今日何してたの?
女の子は驚愕の表情を浮かべた後に。
「・・・・・うけるー!!!wwww」
爆笑していた。
「え?ていうか、誰?」
「いや、そっちこそ誰!?」
性行為を終えた二人がする会話ではない。
どうやら、彼女はdineというアプリでケンタ君と会う予定だったらしい。
Dine…調べてみたところ。
「Dine|デートにコミットする」
いや、まったくデートしとらんやんけ。
どうやらこのDineというアプリは、食通で色々な美味しいレストランを知ってる、奢りたがりのアッパー層男子と、美味しいものを食べたい女子をマッチングするサービスらしい。
何という事だ。
僕が今日彼女に与えたものは、熟成された特濃ザー〇ンくらいしかない。
いいのかこれで。
しかし、満足そうに彼女は去っていった。駅の改札で、彼女の姿が見えなくなるまで見送る。
さて、帰るとするか。
すると。
駅の改札、先ほど彼女が立っていた辺りに、キョロキョロと誰かを探しているかのような色黒マッチョ高身長が。
「・・・・・」
ケンタよ。
強くなれ。